週間の市場動向
Tadawul の公表データによると、TASI メインマーケット時価総額は 2026 年 3 月 12 日終了週に前週比で拡大したと報じられている。前週にも拡大があり、2 週間累計で相応の規模となったとされる。具体値は Saudi Exchange のファクトブックを参照されたい。SAR/円レートによる円換算値は変動するため、円建て時価総額の水準は参考値として扱う必要がある。
TASI は 2025 年に下落局面があり、2015 年の原油下落以来の年間下落幅を記録したと報じられている。2026 年に入り、QFI 撤廃、Saudi Aramco の増配、非石油 GDP セクターの拡大などのポジティブ材料が伝えられ、指数は年初来で回復基調にあるとされる。3 月 16 日の TASI 終値は約 10,946 ポイントで、Tadawul はイード・アル・フィトル休暇のため 3 月 24 日再開予定と報じられている。
セクター別動向
上昇を牽引したのは銀行セクターと保険セクターとされる。Al Rajhi Bank(1120)、SNB(1180)などの銀行株は Q1 好業績期待から堅調な推移と報じられている。SAMA の政策金利局面による純金利マージンの下支えが背景にあるとの見方が示されている。保険セクターでは Bupa Arabia(8210)が政府保険契約獲得を発表したとされ、Tawuniya も堅調と報じられている。
一方、素材セクターとエネルギーセクターは軟調な推移と報じられた。SABIC(2010)は石化価格の下落と中国勢との競争激化が背景として指摘されている。Saudi Aramco(2222)は 3 月 16 日終値 SAR 27.06 で、年初来では上昇していると報じられている。
Saudi Aramco の配当と自社株買い
Saudi Aramco は 2026 年 3 月 10 日、Q4 2025 配当の発表を行った。加えて自社株買いプログラムの開始も公表されたと報じられている。具体の配当額・自社株買い規模・配当利回りは Saudi Aramco の IR 公表を参照されたい。
将来の配当水準は業績、原油価格、資本政策により変動する。過去の配当実績は将来の配当を保証するものではない。
QFI 撤廃後の外国人資金フロー
2026 年 2 月 1 日に施行された QFI 制度撤廃を受け、外国人投資家の Tadawul メインマーケットへの直接アクセスが可能となった。外国人投資家の売買シェアや純買越額は Saudi Exchange の月次レポートで公表されているため、最新値は同レポートを参照されたい。
外国人保有比率は時価総額の 11% 台と報じられている。1 銘柄あたりの外国人合計保有上限(49%)および単一投資家の上限(10%)は撤廃後も維持されている点は、実務上の制約として押さえる必要がある。
上位銘柄の週間動向
以下は Saudi Exchange および各社の公表資料に基づく整理である。個別銘柄の売買を推奨するものではない。
| 業種 | 主要企業(一例) | 週間の位置づけ |
|---|---|---|
| エネルギー | Saudi Aramco(2222) | 週間では小幅反落、年初来では上昇と報じられている |
| 銀行 | Al Rajhi Bank(1120) | Q1 好業績期待から堅調 |
| 銀行 | SNB(1180) | 銀行セクター全体の底堅い動きの一角 |
| 保険 | Bupa Arabia(8210) | 政府保険契約獲得の発表と報じられている |
| 素材 | SABIC(2010) | 石化価格軟調で圧迫との見方 |
| 不動産 | Dar Al Arkan(4300) | リヤド新規住宅プロジェクトの発表と報じられている |
各銘柄の値動きは日次で変動する。上表の位置づけは記事時点(2026 年 3 月中旬)の一時点の整理として扱われたい。
今後の注目点
- Q1 決算シーズン:Saudi Aramco をはじめ主要企業の Q1 決算が公表される予定
- OPEC+ 会合(4 月):生産方針の決定がエネルギーセクターに影響する可能性
- 政策金利の見通し:2026 年下半期の利下げの有無が銀行セクターのマージンに影響しうる
- イード明けのボラティリティ:3 月 24 日の Tadawul 取引再開時、休暇中のグローバル市場の動きを織り込む可能性
サウジ側と日本側の課税
Saudi Aramco などが支払う配当については、サウジ側の課税枠組みが適用される。サウジサイドの源泉徴収の適用範囲は ZATCA の公表を確認されたい。日本の居住者・内国法人は全世界所得課税の対象となるため、サウジで受領する配当・キャピタルゲインについても日本国内で申告・課税の対象になる。 日サ租税条約の適用範囲、外国税額控除の可否は、税理士等の有資格専門家に確認されたい。
SAR は米ドルにペッグされていると報じられているため、SAR/JPY の変動は実質的に USD/JPY の変動に連動する構造とされる。円建てでの評価では為替リスクを別途考慮する必要がある。
まとめ
2026 年 3 月中旬の TASI は、QFI 撤廃後の外国人資金流入、銀行・保険セクターの堅調、Saudi Aramco の株主還元強化などを背景に、年初来で回復基調にあると報じられている。ただし、原油価格の変動、OPEC+ の生産方針、政策金利の動向など、複数の外生要因が今後の推移に影響する。過去のデータは将来を保証するものではなく、投資判断にあたっては公表資料の最新版と有資格専門家の確認を前提とされたい。